ここまで「職場選び」の話をしてきましたが、「そもそも視能訓練士という職業自体の将来性は?」も整理しておきます。結論、職業としての将来性は高いです。
需要は構造的に増加している
• 高齢化による眼科疾患の増加
2040年には団塊ジュニア世代が65歳以上となり高齢者数がピークに達します(日本視能訓練士協会 2025年報告書)。白内障・緑内障・加齢黄斑変性などの患者数は増加の一途です。
• 近視の急増
スマートフォン・タブレットの普及により若年層の近視率が上昇。文部科学省の調査でも子どもの視力低下は過去最悪を更新し続けています。
• 眼科クリニックの増加
レーシック・ICL・白内障手術を行うクリニックが増え続けており、視能訓練士の求人も拡大しています。
• タスクシフト・シェアリングの推進
2024年4月の医師の働き方改革に伴い、医師から視能訓練士への業務移管が国策として進められています。視能訓練士の業務範囲は今後さらに広がる見込みです。
視能訓練士は「供給不足」が続く
眼科医1人に対して視能訓練士は2〜3人が必要とされていますが、現場では慢性的な人材不足が続いています。毎年の国家試験合格者は約800〜900名程度(厚生労働省)で、眼科クリニックの増加ペースには追いついていません。
2025年の実態調査が示す深刻な構造問題
• 20代の比率はわずか14.5%(2005年の41.4%から激減)
• 勤務5年未満は11.2%(2010年の29.7%から大幅減少)
• 眼科ワークの実感でも、求人に対して求職者が足りない状態が常態化。特に首都圏では1人の求職者に複数クリニックからオファーが来る状況です。
年収は着実に上昇している
日本視能訓練士協会の調査によると、視能訓練士の平均年収は2010年の352.9万円→2020年の378.5万円→2025年の417.3万円と、15年間で約65万円上昇しています。需要増と供給不足が年収を押し上げている構造です。
さらに眼科ワークの転職データでは、転職者の9割以上が年収アップに成功し、平均アップ額は約48万円(2023〜2026年・首都圏)。正しい職場を選ぶことで、年収は大きく変わります。
※ 協会データ出典:公益社団法人日本視能訓練士協会「視能訓練士実態調査報告書 2025年」
眼科ワークデータ出典:眼科ワーク転職実績(2023年3月〜2026年2月・首都圏エリア)

AIで仕事はなくなるか
AIが眼底写真の解析や一次スクリーニングを担う時代は来ます。ただしそれは仕事がなくなるのではなく、より専門性の高い業務に集中できる環境になるということです。
高齢者・小児と向き合いながら行う検査・訓練は、コミュニケーションと判断力が不可欠であり、AIには代替できません。むしろAIが単純作業を担うことで、視能訓練士は斜視・弱視訓練やロービジョンケアなど、本来の専門性を発揮できる場面が増えると考えられます。