【2026年版】視能訓練士になるには?ルート・費用・なった後のキャリアまで徹底解説

2026.03.06

  • 視能訓練士 転職情報

【2026年版】視能訓練士になるには?ルート・費用・なった後のキャリアまで徹底解説

「視能訓練士になりたいけど、本当に目指す価値があるのか」

資格の取り方は調べればわかります。でも、養成校の紹介ページや資格サイトには書かれていない情報があります。視能訓練士になった人が、その後どんなキャリアを歩んでいるかという現実です。

私たち眼科ワークは、眼科専門の転職エージェントとして、年間1,000名以上の視能訓練士のキャリアに向き合ってきました。資格取得ルートや国家試験の情報はもちろん、養成校では教えてくれない「なった後のキャリアの現実」まで、この記事ですべてお伝えします。

この記事で分かること:
• 資格取得の3ルートと費用
• 国家試験の実態
• 養成校の選び方
働き始めてからの「当たりハズレ」
年収のリアル
なった後に後悔する人・しない人の違い
• 社会人からの目指し方

視能訓練士とは?——数字で見る「目のスペシャリスト」の現在地

視能訓練士は、1971年に制定された視能訓練士法に基づく国家資格です。眼科医のパートナーとして、患者さんの目の検査や視機能の回復訓練を専門に行います。英語ではCertified Orthoptist(略称:CO)と呼ばれます。

主な仕事は「視機能検査」「斜視・弱視訓練」「健診」「ロービジョンケア」の4つの領域に分かれますが、実際の現場ではこの分類に収まらない業務が数多くあります。OCTやハンフリー視野計といった精密検査機器の操作、手術室業務、眼鏡・コンタクトレンズの処方、患者さんへのカウンセリングなど、勤務先によって担当する業務はまったく異なります。

▶ 視能訓練士の具体的な仕事内容については「視能訓練士の仕事内容を徹底解説」で詳しく紹介しています。

・データで見る視能訓練士の需給ギャップ

視能訓練士は、圧倒的に人材が不足しています。

日本視能訓練士協会によると、眼科医1名に対して視能訓練士は2〜3名が必要とされています。しかし実態はどうでしょうか。厚生労働省のデータでは、眼科医約13,600名に対し、医療機関で働く視能訓練士は約10,100名。眼科医1名に対して視能訓練士はわずか約0.7名しかいません。

必要数の3分の1にも満たない状況です。

この需給ギャップは、視能訓練士を目指す方にとっては大きなチャンスを意味します。資格を取得すれば、就職先に困ることはまずありません。むしろ「選ぶ側」に立てる売り手市場が続いています。

眼科ワークが首都圏で扱う求人の状況を見ても、求人倍率は3倍以上。視能訓練士1名に対して3件以上の求人がある計算です。

需給ギャップの図解——眼科医数 vs 視能訓練士数の比較

・他の医療職との比較——視能訓練士を選ぶ理由

医療系の国家資格を目指す方の中には、看護師や理学療法士など他の資格と迷っている方もいるでしょう。視能訓練士を選ぶ理由を、データで比較してみます。

項目 視能訓練士 看護師 理学療法士
養成期間 3年〜(社会人は最短1年) 3年〜 3年〜
夜勤 なし あり(病棟勤務の場合) 基本なし
平均年収 約444万円 約508万円 約430万円
求人の充実度 売り手市場(慢性的に人材不足) 売り手市場 やや売り手市場
血液への接触 なし あり
(眼科勤務でも採血・点滴等あり)
ほぼなし

(年収出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」)

看護師と比較すると、平均年収はやや低いものの、夜勤がなく日祝休みの職場が多い点、血液に触れる機会がない点で大きな違いがあります。視能訓練士は慢性的に人材が不足しており、就職・転職のしやすさは大きなメリットです。

理学療法士と比較すると、年収水準はほぼ同等ですが、視能訓練士は社会人なら最短1年で資格取得が可能な点がメリットです。

眼科ワークで転職支援をしていると、看護師から視能訓練士に転職された方にお会いすることがあります。転職理由として多いのは「夜勤がなくなる」「血を見なくていい」「眼科は生死に関わる場面が少なく精神的に楽」という声です

視能訓練士になるには——3つの資格取得ルート

視能訓練士になるには、国家試験に合格する必要があります。そして国家試験を受けるためには、指定の養成課程を修了して受験資格を得なければなりません。

受験資格を得るルートは大きく3つあります。

ルート1|高卒→3年制養成校 or 4年制大学——最もスタンダードな道

高校卒業後、文部科学大臣が指定した学校(大学)または都道府県知事が指定した視能訓練士養成校で、3年以上必要な知識・技術を修得するルートです。

全国に約30校ある視能訓練士養成施設のうち、3年制の専門学校と4年制の大学に分かれます。高校生が視能訓練士を目指す場合、このルートが王道です。

3年制と4年制、どちらを選ぶべきか?

3年制専門学校は、学費が安く、1年早く現場に出られるのがメリットです。カリキュラムは実践重視で、国家試験対策も手厚い学校が多い傾向にあります。

では、実際の就職市場ではどう評価されるのか。眼科ワークが日々クリニックの院長や採用担当と話している実感としては、「大卒か専門卒か」よりも「何ができるか」が重視されるのが現実です。眼科クリニックの院長が採用で見ているのは、出身校の名前ではなく、どんな検査経験があるか、患者対応ができるか、という実務能力です。

ルート2|大卒・短大卒→1年制養成校——社会人の最短ルート

大学や短大、看護師・保育士の養成機関などで指定科目を履修した方は、1年制の視能訓練士養成校に入学できます。社会人から視能訓練士を目指す場合の最短ルートです。

1年制養成校に入学するためには、厚生労働大臣が指定する以下の科目を履修済みであることが条件です。

• 外国語
• 心理学
• 保健体育
• 生物学
• 物理学
• 数学(統計学を含む)
• 教育学、倫理学、精神衛生、社会福祉、保育のうち2科目

「自分の大学の単位が使えるかわからない」という方は、卒業した大学で成績証明書を取得し、志望する養成校の入試担当に問い合わせれば確認できます。不足している科目がある場合は、放送大学などの通信制大学で履修することが可能です。

1年制養成校には、昼間部に加えて夜間コースや土日祝コースを設けている学校もあります。ただし注意が必要なのは臨床実習です。どのコースを選んでも、3〜4ヶ月間の病院での臨床実習は平日昼間に行われます。この期間は仕事との両立がほぼ不可能なため、社会人の方は退職または長期休職を覚悟する必要があります。

1年制養成校のクラスには、既に眼科で検査員やフォトグラファー、医療事務などとして働いていた方も一定数います。眼科未経験からのスタートでもまったく問題ありませんが、眼科の現場を知っている方は臨床実習でアドバンテージがあるのは事実です。

【比較表】3つのルート——あなたに合うのはどれ?

ルート 対象者 期間 学費目安(総額) メリット 注意点
3年制養成校 高卒 3年 約400〜470万円 最もスタンダード。
国試対策が手厚い
3年間のフルタイム通学が必要
4年制大学 高卒 4年 約400〜630万円 大卒資格。教養が広い 学費がやや高い。
1年長い
1年制養成校 大卒・短大卒等 1年 約150〜200万円 最短ルート。
社会人に人気
指定科目の履修が前提。臨床実習3〜4ヶ月は昼間

養成校の選び方——現場を知るエージェントが教える判断基準

養成校は全国に約30校あります。多くの資格サイトは「合格率」と「学費」で養成校を比較していますが、それだけでは十分とは言えません。眼科ワークは「視能訓練士になった後、どんなキャリアが待っているか」という視点から、養成校選びの判断基準を紹介します。

大学と専門学校の違い——どちらを選んでも国試受験資格は同じ

大学(4年制)と専門学校(3年制・1年制)のどちらを卒業しても、国家試験の受験資格は同じです。

項目 4年制大学 3年制専門学校 1年制専門学校
期間 4年 3年 1年
学費目安(総額) 約400〜630万円 約400〜470万円 約150〜200万円
対象 高卒 高卒 大卒・短大卒等
取得できる学位 学士(大卒) 専門士
カリキュラムの特徴 教養+専門。研究の機会あり 実践重視。国試対策が手厚い 短期集中。社会人向け
転職市場での評価 実務経験・スキルが重視される傾向 同左 同左

▶ 視能訓練士の養成校について詳しくは、
視能訓練士の専門学校 全16校の学費や偏差値・特色まとめ視能訓練士の養成大学。偏差値・学費ランキング、そして各校の特徴まとめ
をご覧ください。

養成校選びの7つのチェックポイント

1. 国家試験合格率

合格率は養成校選びの基本指標です。直近の合格率だけでなく、過去数年分の推移を確認しましょう。安定して高い合格率を維持している学校は、国試対策のカリキュラムがしっかりしていると判断できます。

2. 就職実績——「就職率100%」は当たり前

3. 臨床実習先の充実度

実習先が1箇所だけなのか、複数の医療機関で実習できるのかは大きな違いです。手術あり・なし、大学病院・クリニックなど、幅広いタイプの施設で実習できる学校の方が、偏りのない経験が積めます。

4. 学費・奨学金制度

学費は各校のホームページで確認できます。社会人の方は、専門実践教育訓練給付金(条件を満たせば学費の最大70%が支給される国の制度)の対象校かどうかを必ず確認してください。対象校かどうかで実質的な負担が大きく変わります。

5. 通学のしやすさ

養成校には毎日通学する必要があります。特に社会人は生活の中に通学を組み込むため、自宅からのアクセスは重要な判断材料です。

6. クラスの雰囲気

オープンキャンパスで確認するのが一番です。社会人がどのくらいの割合でいるか、年齢層の幅はどうかなど、自分が馴染めそうな雰囲気かどうかをチェックしましょう。

7. 臨床実習で幅広い経験ができるか

臨床実習の内容は養成校によって異なります。実習先が手術あり・なし、大学病院・クリニックなど複数のタイプにわたる学校であれば、在学中に幅広い現場を見ることができます。新卒はどの学校を出ても新卒ですが、実習で見た経験が入職後の学びのスピードに影響することはあります。

国家試験の実態——合格率96%超の裏側

試験の基本情報

視能訓練士の国家試験は年に1回、毎年2月中旬〜下旬に東京と大阪の2会場で実施されます。

• 出題形式:多肢選択式(マークシート)
• 問題数:午前75問+午後75問=計150問(一般問題130問+臨床問題20問)
• 試験時間:午前10:00〜12:00、午後13:30〜15:30(計4時間)
• 試験科目:基礎医学大要、基礎視能矯正学、視能検査学、視能障害学、視能訓練学
• 合格基準:一般問題1点×130問(130点満点)+臨床問題2点×20問(40点満点)=170点満点のうち、例年102点以上(約60%)
• 受験料:15,800円

【2026年・2027年の試験スケジュール】

項目 第56回(2026年実施) 第57回(2027年実施)
試験日 2026年2月19日(木)※実施済み 2027年2月頃(例年2月第3週の木曜日)
合格発表 2026年3月23日(月)※発表済み 2027年3月下旬(予定)
試験会場 東京都・大阪府 東京都・大阪府(予定)
施行公告 2025年9月1日 2026年9月頃(予定)

※スマートフォンでは左右にスクロールしてご覧いただけます。

(出典:厚生労働省「視能訓練士国家試験の施行」)

※第57回の正式な日程は、2026年9月頃に厚生労働省から公告される予定です。

合格率の推移と他資格との比較

視能訓練士の国家試験合格率は、直近5年間で88%〜97%台と高い水準を維持しています。

回(実施年) 受験者数 合格者数 合格率
第51回(2021年) 837 762 91.0%
第52回(2022年) 874 774 88.6%
第53回(2023年) 862 808 93.7%
第54回(2024年) 836 818 97.8%
第55回(2025年) 911 882 96.8%
第56回(2026年) 804 773 96.1%

(出典:厚生労働省「視能訓練士国家試験の合格発表について」各回)

国家試験合格率の推移グラフ+他の医療系資格との比較表

ただし、「合格率が高い=簡単」ではありません。養成校で体系的なカリキュラムを学び、国試対策の授業や模擬試験を重ねた結果として高い合格率が実現しています。独学で取得できる資格ではなく、養成校でしっかり学ぶことが前提です。

不合格になった場合

不合格になった場合は翌年以降も受験可能ですが、いわゆる「既卒受験」は在学中の受験に比べて合格率がやや下がる傾向にあります。養成校のサポートを受けられる在学中に一発合格を目指すのがベストです。

養成校の国試対策がしっかりしている学校を選び、カリキュラムに沿って真面目に学習していれば、合格は十分に可能です。

費用のすべて——学費から「見えないコスト」まで

学費の目安

視能訓練士になるまでにかかる学費の目安は以下の通りです。

養成校のタイプ 学費の目安(総額)
3年制専門学校 約400〜470万円
4年制大学 約400〜630万円
(国公立〜私立)
1年制養成校
(社会人ルート)
約150〜200万円

学費は養成校によって異なります。最新の金額は各校のホームページで確認してください。

(参考:みんなの専門学校情報、各養成校公式サイトより)

見落としがちな「学費以外のコスト」

学費だけが費用のすべてではありません。実際にかかるお金を把握しておきましょう。

• 教材費・実習費:年間10〜30万円程度。教科書、検査器具、白衣などが含まれます
• 国試対策費:模擬試験の受験料、参考書の購入費など
• 通学費:毎日の電車代やバス代は積み重なると大きな金額になります
• 社会人の最大コスト——収入が途絶える期間の生活費:1年制でも臨床実習3〜4ヶ月間は仕事ができません。3年制の場合は3年間の機会損失になります。この「見えないコスト」が最も大きい場合があります

費用を抑える方法——活用すべき3つの制度

1. 専門実践教育訓練給付金(社会人向け)

厚生労働大臣が指定する養成校が対象の国の制度です。受講中は学費の50%(年間上限40万円)が支給され、さらに資格取得後1年以内に就職した場合は追加で20%が支給されます。合計で最大70%(年間上限56万円)が戻ります。初回利用の場合は雇用保険の被保険者期間が2年以上、2回目以降は3年以上が条件です。対象校かどうかは厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で確認できます。視能訓練士の養成校でもこの制度の対象となっている学校があります(日本医歯薬専門学校など)。
(出典:厚生労働省「教育訓練給付金」/政府広報オンライン「教育訓練給付金があなたのキャリアアップを支援します」)

2. 日本学生支援機構の奨学金

第一種(無利子)と第二種(有利子)があります。養成校が対象校であれば利用可能です。

3. 各養成校独自の奨学金・学費減免制度

養成校によっては独自の奨学金制度や学費減免制度を設けています。オープンキャンパスや入試相談で確認しましょう。

費用対効果の観点で考えると、1年制養成校(約150〜200万円)で専門実践教育訓練給付金を活用した場合、受講中に50%、資格取得・就職後に追加20%が支給され、実質的な負担を大幅に抑えられます。視能訓練士の平均年収が約444万円であることを考えれば、投資回収は早い段階で完了する計算です。

就職先のリアル——養成校では教えてくれない「当たりハズレ」

ここからは、他の資格サイトや養成校のホームページには書かれていない内容です。眼科ワークが年間1,000名以上の視能訓練士と向き合う中で見えてきた、就職先選びのリアルをお伝えします。

就職先の種類

日本視能訓練士協会の「視能訓練士実態調査報告書2025年」によると、視能訓練士の就業先として最も多いのは眼科診療所(クリニック)です。次いで私立病院、国公立医療機関、私立大学病院と続きます。病院やクリニック以外では、養成施設や眼鏡店などの勤務もありますが、少数にとどまっています。

就職先の種類の図解
(出典:公益社団法人 日本視能訓練士協会「視能訓練士実態調査報告書2025年」)

就職率ほぼ100%の裏にある「質」の問題

視能訓練士の就職率はほぼ100%です。「就職できない」ということはまずありません。求人は常に供給を上回っており、首都圏では求人倍率が3倍を超えています。

しかし問題はそこではありません。「どこに就職するか」です。

求人がたくさんあるということは、裏を返せば「選ぶ側」に立てるということ。にもかかわらず、多くの新卒者が十分な比較検討をしないまま就職先を決めてしまっています。

養成校の「就職の常識」は、実は非常識

養成校における新卒の就職活動には、独特の慣習があります。

ほとんどの学生は、実習先のクリニックや学校に届いた求人をそのまま受けて就職しています。さらに、学校側から「受けたらそこに行かなければいけない」と言われたという声が非常に多いのが現実です。

その結果、比較検討なし、見学なし、1社だけ受けて入職、というパターンが新卒の就職では当たり前になっています。

だからこそ、例年1月〜3月頃になると、4月入職を控えた新卒の方から「学校の紹介以外で、もっと良いところはないか」と眼科ワークに相談が寄せられます。

これは転職市場の常識とはまったく違います。

眼科ワークで転職支援をしていると、相談に来られた方から「まず見学だけしたいのですが……」「面接を受けたら断れないんですよね?」と聞かれることがよくあります。

答えは明確です。面接を受けて合わないと思えば断って構いません。複数のクリニックを並行して比較してもまったく問題ありません。 これは社会人の転職では当たり前のことですが、養成校の就職慣習しか知らない方は驚かれます。

もちろん、1社だけ受けてそのまま入職すること自体が悪いわけではありません。問題は、そのクリニックが自分に合っているかどうかを判断する基準を持たないまま決めてしまうことです。新卒の段階では「良い職場かどうか」を見極める経験がないのは当然です。だからこそ、眼科業界の内情を知っている第三者のアドバイスが価値を持ちます。

眼科ワークは首都圏の眼科クリニック・病院を日々訪問しているため、「そのクリニックの教育体制はどうか」「検査機器は何があるか」「院長やスタッフの雰囲気はどうか」といった情報を持っています。少なくとも、退職者が頻繁に出ているような施設は把握しています。条件の良い求人はすぐに埋まるため、タイミングも重要です。

職場は毎日の生活の中で大きな時間を占める場所です。その選択を、業界のことがわからない状態でなんとなく決めてしまうのはリスクが大きい。プロの意見を聞いた上で判断するだけで、避けられる失敗があります。

実際、眼科ワークへの転職相談で多いのが、比較検討せずに決めたことへの後悔です。「学校に言われるまま入職したけど、教育体制がなかった」「やりたい検査ができない」「人間関係が合わない」——こうした声が数年後に届いています。

だからこそ、これから視能訓練士を目指す方には知っておいてほしいのです。就職先を選ぶときは、判断基準を持って選んでください。自分で判断できなければ、業界を知っている人に相談してください。

最初の就職先で人生が変わる——クリニック選びの現実

「同じ視能訓練士」でも、就職先によって仕事内容はまったく異なります。

クリニックのタイプ 主な業務内容 身につくスキル 忙しさ 転職市場での評価
手術あり(白内障等) 術前精密検査、手術室業務、一般検査 IOLマスター、角膜形状解析、手術室経験 忙しい 高い(手術経験は強み)
小児眼科中心 斜視・弱視の検査・訓練 小児対応、視能矯正 普通 非常に高い(希少スキル)
コンタクト中心 CL処方・フィッティング・装用指導 コンタクト処方 テンポが速い やや限定的(検査の幅が狭い)
一般外来中心 視力・屈折・眼圧・OCT等の幅広い検査 総合的な検査スキル 安定 バランスが良い

手術を月100件行うクリニックでは、IOLマスターによる眼内レンズの度数計算や角膜形状解析といった術前の精密検査が業務の大きな割合を占めます。手術室での外回りや機械出しを担当することもあり、スキルは早く身につきますが、その分忙しい環境です。

小児眼科に力を入れているクリニックでは、斜視・弱視の検査と視能矯正がメイン業務になります。子どもの検査には特有のコミュニケーション力が求められ、この経験は転職市場でも希少価値が高く評価されます。

コンタクトレンズ対応が中心のクリニックでは、コンタクトの処方・フィッティング・装用指導が業務の大半を占めます。テンポの速い業務になりがちで、視野検査や斜視・弱視訓練といった幅広いスキルは身につきにくい傾向があります。

一般外来中心のクリニックでは、視力・屈折・眼圧・OCTなどの一般検査を幅広く担当します。業務が安定しており残業も少ない傾向にあるため、ワークライフバランスを重視する方に向いています。

求人票に「検査業務全般」としか書かれていない場合、上記のどのタイプかは判断できません。

▶ クリニックの種類別の仕事内容の詳細は「視能訓練士の仕事内容を徹底解説」をご覧ください。

新卒で「ハズレ」の就職先を選ぶとこうなる

教育体制がないクリニックに視能訓練士が1名だけで入職した場合、先輩から体系的に教えてもらう機会が限られ、自己流で仕事を覚えることになりがちです。もちろん院長が丁寧に指導してくれるクリニックもありますが、多忙な診療の合間に十分な教育時間を確保するのは難しいのが現実です。

コンタクトレンズの検査しかやらせてもらえないクリニックに入った場合、2年経験を積んでも視野検査のスキルが身につきません。

その結果、転職しようとしたときに「2年経験があるのに術前検査もGPもやったことがないの?」と言われ、選択肢が大きく狭まります。

逆に、教育体制が整ったクリニックや先輩の視能訓練士が複数在籍する環境であれば、2年で一通りの検査スキルが身につきます。

最初の就職先が「2年後に転職できるスキル」を決める。 これは大げさな話ではなく、眼科ワークで日々目にしている現実です。

就職先選びで本当に確認すべき5つのこと

確認項目 なぜ重要か 確認方法
視能訓練士の在籍人数 1名体制は教育環境がなく新卒にはリスク 求人票・見学時に確認
検査機器の種類 機器がなければその検査は経験できない OCT、ハンフリー、GP、IOLマスター等の有無を確認
手術の有無と件数 手術室経験は転職時にプラス評価 月の手術件数を聞く
教育体制 スキル習得のスピードを左右する マニュアル・OJT・勉強会の有無
残業の実態 「残業少なめ」は信用しない 実際の退勤時間を聞く

▶ 就職先選びで迷ったら、眼科ワークにご相談ください。首都圏の眼科クリニック・病院を日々訪問して得た内部情報をもとに、あなたに合った職場をご紹介します。

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年収と将来性——「視能訓練士は食えるのか」に正直に答える

年収のリアルな数字

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、視能訓練士を含む医療技術者の平均年収は約444万円です。

初任給は月給20〜24万円(年収換算で300〜350万円)が相場です。20代のうちは正直なところ「高い」とは言いにくい水準ですが、経験を積み、転職によって年収を上げていくのが視能訓練士のキャリアの現実です。

勤務先によっても年収は大きく異なります。大学病院や公立病院は安定した給与体系がある一方、眼科クリニックは施設によって年収に大きな幅があり、好条件のクリニックなら500万円を超えるケースもあります。

眼科ワーク経由の転職者は、平均48万円の年収アップを実現しています。同じスキル・同じ経験年数でも、勤務先が変わるだけで年収が数十万円変わるのがこの業界の現実です。

▶ 年収の詳細データは「視能訓練士の年収・給料はいくら?転職データでわかるリアルな相場」をご覧ください。

年収を上げる4つのルート

方法 インパクト 具体例
転職 ◎ 最大 同じスキルでも勤務先で年収100万円差が出ることも
スキルアップ ○ 大きい GP操作、小児対応、手術室経験は市場価値を上げる
管理職・リーダー ○ 中程度 主任手当等がつく。施設によって数万円/月
自由診療クリニック ○ 大きい ICL・レーシック等はインセンティブ制度があり年収が高い傾向

将来性——視能訓練士の需要は伸び続ける

視能訓練士の将来性は明るいと言えます。

高齢化の進展に伴い、白内障、緑内障、加齢黄斑変性といった眼科疾患の患者数は増加を続けています。また、スマートフォンやタブレットの普及により、子どもの近視が社会問題化しており、近視進行抑制治療のニーズも急拡大しています。

AI技術が発達しても、患者さんとのコミュニケーション、子どもの検査への誘導、複雑な視能訓練は人間にしかできない業務です。むしろ、AIが画像解析などの一部業務を効率化することで、視能訓練士がより専門的な業務に集中できるようになると考えられています。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査を見ても、視能訓練士の平均年収は2010年の約353万円から2024年の約444万円へと上昇傾向にあり、待遇面の改善も続いています。

▶ 将来性について詳しくは「視能訓練士の将来性」記事をご覧ください。

「視能訓練士はやめとけ」に転職エージェントとして答える

インターネットで「視能訓練士」と検索すると、「やめとけ」「後悔」といったネガティブな声が目に入ることがあります。

年間1,000名以上の視能訓練士のキャリアに向き合ってきた立場から言うと、後悔している方と満足している方にはそれぞれパターンがあります。

項目 後悔する人 満足している人
就職先 比較検討せず入職。教育体制がなかった 教育体制のある職場でスキルを積んだ
年収 不満があるが転職しない 転職で年収・環境を改善している
働き方 変化に対応できず不満がたまる ライフステージに合わせて柔軟に働き方を変えている
根本原因 情報不足で就職先を選んだ 正しい情報で就職先を選んだ

つまり、「やめとけ」の本質は「資格の問題」ではなく「就職先の問題」です。正しい情報があれば回避できる問題がほとんどです。

▶ 実際に転職で年収アップ・環境改善を実現した方の声は「転職者インタビュー」をご覧ください。

年収UPの転職事例を見る

転職市場から見た「なった後のキャリアの現実」

ここからは、眼科ワークだからこそ語れる内容です。転職エージェントの視点から、視能訓練士になった後のキャリアの現実をお伝えします。

眼科の採用市場は「即戦力」が圧倒的に求められている

眼科ワークに寄せられる求人依頼の大半は「欠員補充」です。視能訓練士が退職したから代わりの人がほしい、というニーズです。

つまり、クリニックが求めているのは経験者であり即戦力です。新卒の紹介依頼が集中するのは毎年3月の国家試験前後のみ。それ以外の時期は「すぐ来てほしい」「教えなくても一通りの検査ができる人がほしい」というのが、採用する側の本音です。

この現実が意味するのは、最初の就職先で「即戦力」と呼ばれるスキルを身につけられるかどうかが、その後のキャリアを大きく左右するということです。

「経験2年」が転職市場でのスタートライン

眼科クリニックが中途採用で求めるのは「眼科経験2年以上」がボリュームゾーンです。

2年あれば、視力・屈折・眼圧・OCT・視野検査(ハンフリー)といった基本的な検査を一通り経験しているという前提で見られます。逆に、2年経っても特定の検査しか経験していない場合、転職先の選択肢は大きく狭まります。

ただし、2年を待たずに転職相談に来る方も少なくありません。眼科ワークには、新卒で入った職場が合わず、1年目や2年目で「次は良い職場に入りたい」と相談に来る方が毎年います。経験が浅くても、早めに環境を変えた方がキャリアにとってプラスになるケースもあります。

たとえば、コンタクトレンズの処方業務が中心のクリニックで2年働いた場合、転職時に「ハンフリー視野計の操作経験がない」ことがネックになるケースがあります。

一方、手術ありのクリニックで2年経験を積んだ方は、IOLマスター、角膜形状解析、手術室業務の経験があるため、転職先を選ぶ立場に立てます。

視能訓練士の6割以上が転職を経験している

日本視能訓練士協会の調査によると、視能訓練士全体の60%以上が1回以上の転職を経験しています。

女性が約8割を占める職種のため、結婚、出産、引っ越し、パートナーの転勤といったライフステージの変化が転職のきっかけになるケースが多く見られます。キャリアアップや年収アップを目的とした転職も珍しくありません。

視能訓練士は「転職が当たり前」の職種です。 だからこそ、最初の就職先でしっかりスキルを積んでおくことが、長いキャリアの土台になります。

「最初の3年間」をどう過ごすかで10年後が変わる

教育体制の整ったクリニックに就職した場合、一般的には以下のようなステップでスキルが身についていきます。

最初の3年間のスキルアップステップ図

1年目:基本検査を一通り覚える(視力、屈折、眼圧、OCT)
2年目:視野検査(ハンフリー)、眼鏡処方、手術前検査に慣れる → ここで「転職できるスキル」が揃う
3年目:GP(ゴールドマン視野計)、小児対応、コンタクト処方など専門スキルを伸ばす → 市場価値が一気に上がる

教育体制のあるクリニックなら、このステップを自然に踏めます。しかし、教育がなく視能訓練士が1人体制の職場だと、3年目になっても基本検査しかできない、ということが起こりえます。

だからこそ、最初の就職先選びが重要なのです。

よくある質問(FAQ)——10問に本音で回答

Q1. 視能訓練士になるのに何年かかりますか?

高校卒業からなら最短3年(3年制養成校)、大学・短大を卒業済みで指定科目の履修要件を満たしていれば最短1年(1年制養成校)です。4年制大学の養成課程に進学する場合は4年かかります。

Q2. 年齢制限はありますか?

法律上の年齢制限はありません。30代・40代から視能訓練士を目指す方も珍しくなく、養成校によっては社会人学生が一定数を占めています。眼科ワークの転職支援でも30代以上の方が過半数です。

Q3. 通信教育で視能訓練士になれますか?

通信教育のみでは視能訓練士になれません。養成課程には3〜4ヶ月間の病院での臨床実習が含まれており、通学が必須です。

▶ 詳しくは「通信教育で視能訓練士になれるの?」をご覧ください。

Q4. 男性でもなれますか?

もちろん可能です。日本視能訓練士協会の2025年実態調査によると、男性比率は約18%まで増加しています(2000年の6.3%から一貫して増加)。男性の視能訓練士は少数であるがゆえに、現場で頼りにされる存在になれるという声もあります。

Q5. 国家試験に落ちたらどうなりますか?

翌年以降も受験可能です。ただし、養成校を卒業した後の「既卒受験」は合格率がやや下がる傾向があります。在学中に一発合格を目指すのがベストです。

Q6. 視能訓練士は将来なくなる仕事ですか?

なくなりません。AI技術が進んでも、患者さんとのコミュニケーション、子どもの検査への誘導、複雑な視能訓練は人間にしかできません。高齢化やデジタルデバイスの普及により、むしろ需要は増加傾向にあります。

Q7. 就職できない、って本当ですか?

事実と異なります。首都圏の求人倍率は3倍以上で、資格を取得すれば就職先に困ることはまずありません。問題は「就職できるか」ではなく「どこに就職するか」です。

Q8. 視能訓練士の年収は低いですか?

平均年収は約444万円です。初任給は20〜24万円と低めですが、経験を積み、転職することで年収アップが可能な職種です。眼科ワーク経由の転職者は平均48万円の年収アップを実現しています。

▶ 詳しくは「視能訓練士の年収・給料はいくら?」をご覧ください。

Q9. 視能訓練士は「やめとけ」と言われていますが……

ネット上の「やめとけ」という声の多くは、就職先の選択ミスに起因しています。資格自体は安定した国家資格であり、正しい情報で就職先を選べば満足度の高い職業です。

Q10. 今から目指すなら何から始めればいいですか?

高校生の方は、養成校のオープンキャンパスに参加するところから始めましょう。社会人の方は、まず卒業した大学の成績証明書を取得し、指定科目の履修状況を確認してください。その上で、1年制養成校のオープンキャンパスに参加するのがおすすめです。

まとめ——視能訓練士は「なり方」だけでなく「なった後」まで考えて目指そう

視能訓練士になるまでの道のりは、簡単ではありません。養成校での学び、国家試験の合格、そして就職先選び。どのステップも真剣に向き合う必要があります。

しかし、「なった後」に手にできるものは大きい職業です。夜勤なし、国家資格の安定性、売り手市場の転職環境、ライフステージに合わせた柔軟な働き方——正しい情報で職場を選べば、長く満足して働ける仕事です。

この記事でお伝えした通り、視能訓練士のキャリアは「最初の職場選び」で大きく変わります。養成校の慣習に流されず、自分の目で見て、判断基準を持って、納得できる職場を選んでください。

眼科ワークは、視能訓練士の転職を専門とするエージェントです。 基本的には転職希望者向けのサービスですが、例年12月〜3月にかけて、4月入職を控えた新卒の方からの相談や、クリニック側からの新卒紹介の依頼が増えるため、この時期は新卒の方の就職支援にも対応しています。

これから視能訓練士を目指す方は、まず養成校の情報収集から始めてください。在学中に「就職先を選ぶとき、プロの意見も聞いてみたい」と思ったら、早めに登録だけしておくのもひとつの方法です。良い条件の求人はすぐに埋まります。4月入職に向けた求人が出始める12月頃までに登録しておけば、タイミングを逃さずご紹介できます。もちろん、それより前に動き始めれば、より多くの選択肢の中から選べます。

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