厚生労働省が実施している「中途採用等支援助成金」ですが、具体的にどのような制度なのかご存知でしょうか。読んで字の如く、採用を支援する助成金なのですが、どのような条件の労働者(求職者)や事業主に当てはまるかは正確に理解しておく必要があります。制度の詳細について、それでは見ていきましょう。
中途採用等支援助成金について解説。中途採用拡大コースで対象となる事業主と支給金額とは?
2025.08.14
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中途採用等支援助成金について解説。中途採用拡大コースで対象となる事業主と支給金額とは?
中途採用等支援助成金とは?
中途採用等支援助成金とは、厚生労働省が実施している取り組みであり、中途採用による雇用創出に対して支給される助成金です。
採用に関して、資本力のある大企業や知名度のある有名企業ならまだしも、一般的に中小企業の多くは人材不足に悩まされています。中途採用等支援助成金は、後ほど説明しますが、比較的支給の要件が緩い助成金といわれているので、中小企業の一助となるでしょう。
中途採用等支援助成金は3つのコースに分かれています。それは「中途採用拡大コース」「UIJターンコース」「生涯現役起業支援コース」の3つです。記事ではこのうち、「中途採用拡大コース」について詳しく解説します。
中途採用拡大コースとは?

中途採用拡大コースとは、中途採用の拡大を通じて生産性の向上に寄与した事業主への支援を目的とした制度です。中途採用者の雇用管理制度が整備された事業主に対して適用されます。
中途採用拡大コースでは、「中途採用拡大助成」「生産性向上助成」のどちらかに該当する事業を行うことで助成されます。それぞれの具体的な内容は以下の通りです。
| 中途採用拡大助成 | 中途採用者の雇用管理制度を整備し中途採用の拡大(中途採用率の拡大または45歳以上の初採用)を図った事業主に対して助成される |
| 生産性向上助成 | 中途採用拡大助成の支給を受けた事業主のうち、一定期間経過後に生産性が向上した事業主に対して助成される |
※参考:厚生労働省「中途採用等支援助成金 ガイドブック − 中途採用拡大コース − 」
支給額はいくら
では、中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の支給額はいくらなのでしょうか。こちらも同じく、厚生労働省の資料に助成額が記載されています。
|
【中途採用拡大助成】 |
|
| 実施区分 | 助成額 |
| A. 中途採用率の拡大 | 1事業所あたり50万円 |
| B. 45歳以上の初採用 | 1事業所あたり60万円または70万円(※) |
※ 支給申請日において継続して雇用されている支給対象者の中に、雇い入れ時の年齢が60歳以上であって、かつ雇い入れ日から6ヶ月以上経過している方がいる場合は70万円が支給される。
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【生産性向上助成】 |
|
| 実施区分 | 助成額 |
| A. 中途採用率の拡大 | 1事業所あたり25万円 |
| B. 45歳以上の初採用 | 1事業所あたり30万円 |
このように、どの条件に該当するかによりますが、中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)で1事業者あたり25〜70万円の助成金がもらえるのです。もし該当するのであれば、中小企業の方はもらわない手はないですね。
支給対象となる労働者
次に支給対象となる労働者について解説します。正確に認識しておいていただきたいのは、今から説明する労働者だけでなく、支給対象となる措置、支給対象となる事業主それぞれを満たす必要があるということです。
ではまず、労働者(求職者)の条件ですが、それは以下の通りです。
| 中途採用率の拡大・45歳以上の初採用 の対象条件 | ・申請事業主に中途採用により雇い入れられた方であること
・雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れられた方であること ・期間の定めのない労働者(パートタイムを除く)として雇い入れられた方であること ・雇い入れ日の前日から起算してその日以前1年間において、雇用関係、出向、派遣または請負により当該事業主の事業所において就労したことがない方であること ・雇い入れ日の前日から起算してその日以前1年間において、申請事業主との関係が次のア〜ウのいずれかに該当する事業主に雇用されていた方でないこと ア:両者が親会社と子会社(※)、またはその逆の関係にあること イ:取締役会の構成員について、両者の代表取締役が同一人物であることまたは取締役を兼務している方がいずれかの取締役会の過半数を占めていること ウ:その他、資本的・経済的・組織的関連性等からみて両者が独立性をみとめられないものであること |
| 45歳以上の初採用のみの対象条件 | ・雇い入れ時の年齢が45歳以上であること |
支給対象となる措置
次に支給対象となる措置について解説します。中途採用等支援助成金は、以下の措置を実施したうえで支給対象者を雇い入れた場合に受給できます。
| 中途採用率の拡大・45歳以上の初採用 の共通の条件 | アおよびイを満たす中途採用計画を策定すること
ア 中途採用者の雇用管理制度を整備するものであり、中途採用者に適用される募集・採用以外の雇用管理制度が、新規学卒者等に適用されるものと同じであること ここで定義する雇用管理制度とは、募集・採用を除く、労働時間・休日、雇用契約 期間、評価・処遇制度、福利厚生などを指します。 イ 中途採用計画期間内の中途採用の拡大について計画していること 計画では採用予定職種、採用予定者数、採用予定時期、採用目的、採用部署・役職、採用時の評価方法、採用後のモデルキャリアを定めることが必要です。 中途採用計画を含め、本コースの支給要件を満たすことの確認を求めるための各種申請書類を管轄の労働局へ提出していること 中途採用計画期間内に採用した支給対象者を、支給申請日までに事業主都合により解雇(退職勧奨等を含む)していないこと また、支給申請日の翌日から支給決定時までの間に、支給対象者を事業主都合により解雇(退職勧奨を含む)した場合も対象になりません。 |
| 中途採用率の拡大 のみ | 中途採用計画が1年間であること
原則は1年間ですが、目標達成が困難と見込まれる場合は2年または3年に延長が可能です。 中途採用計画期間中に、支給対象者を2人以上雇い入れること 計画期間中の中途採用率から、計画開始日の前日から過去3年間の中途採用率を減じた値を20ポイント以上とすること 支給対象者のうち、雇入れ日から起算して6か月を経過する日までに離職した方の割合が20%未満であること |
| 45歳以上の初採用 のみ | 中途採用計画が1年以下で、事業主が定める期間であること
計画期間中に、支給対象者を1人以上雇い入れること ただし、支給決定時までの間に支給対象者が全員離職している場合は支給対象となりません。 |
対象となる事業主

次に支給対象となる事業主について解説します。中途採用等支援助成金を受給するには、以下の全ての条件に該当している必要があります。
| (1) | 雇用保険適用事業所の事業主であること |
| (2) | 支給のための審査に協力すること
・支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること ・支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局から求め られた場合に応じること ・管轄労働局等の実地調査を受け入れること など |
| (3) | 申請期間内に申請を行うこと |
| (4) | 支給対象者に対する賃金を支払期日までに支払っていること
(支払期日を超えて支払っていない場合であっても支給申請を行うまでに当該賃金を支 払った場合は除きます) |
| (5) | 事業所において、次の書類を整備、保管している事業主であること
(船員法において整備、保管が義務づけられている書類を含みます) ア 支給対象者の出勤状況が日ごとに明らかにされた出勤簿、タイムカードまたは船員法 第 67 条に定める記録簿等(以下「出勤簿等」といいます。) イ 支給対象者に対して支払われた賃金について基本賃金とその他の諸手当とが明確に区 分されて記載された賃金台帳または船員法第 58 条の2に定める報酬支払簿(以下「賃 金台帳等」といいます。) ウ 離職した労働者(日々雇い入れる者を除きます。)の氏名、離職年月日、離職理由等が 明らかにされた労働者名簿等の書類 |
| (6) | 中途採用計画の提出の日の前日から起算して6か月前の日から支給申請書の提出日まで の間(以下「基準期間」といいます)に、事業所において雇用する雇用保険被保険者(※) を事業主都合によって解雇等(退職勧奨を含む)していないこと
(※)短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者を除きます。以下(7)、(17)においても同様です。 |
| (7) | 基準期間に、雇用保険法第 23 条第1項に規定する「特定受給資格者」となる離職理由の うち、離職区分1A または3A とされる離職理由(※)により離職したとして雇用保険失 業給付の手続きをとられた方の数が、中途採用計画の提出日における雇用保険被保険者 数に対して6%を超えていないこと
(※)雇用保険の離職票上の離職区分コードの1Aまたは3Aに該当する離職理由(事業主都合解雇、 勧奨退職のほか、事業縮小や賃金大幅低下等による正当理由自己都合離職を含む)をいいます。 なお、基準期間に特定受給資格者として雇用保険失業給付の手続きをとられた方の数が 3人以下の場合には、この要件は適用しません。 |
逆に、以下の(8)〜(19)に当てはまる事業主は中途採用等支援助成金を受給することはできません。
|
中途採用率の拡大、45歳以上の初採用 |
|
| (8) | 不正受給をしてから5年以内に支給申請をした事業主、あるいは支給申請日後、支給決定 日までの間に不正受給をした事業主 |
| (9) | 申請事業主の役員等に、不正受給に関与した役員等(※)がいる場合であって、不正受給をしてから5年を経過していない事業主 |
| (10) | 支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納付して いない事業主 |
| (11) | 支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反により送検処分となった事業主 |
| (12) | 本コースの申請を行おうとする事業所において、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する以下の業務を行っている事業主 |
| (13) | 事業主又は事業主の役員等が、暴力団と関わりのある場合 |
| (14) | 事業主又は事業主の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れのある団体に属している場合 |
| (15) | 不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名等の公表について、あらかじめ同意していない事業主 |
| (16) | 本コースの申請を行おうとする事業所が、中途採用計画期間の初日の前日から起算して3年前の日において雇用保険適用事業所でない事業主 |
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中途採用率の拡大のみ |
|
| (17) | 中途採用計画期間の初日の前日から過去3年間における中途採用率が 50%以上である事 業主 |
| (18) | 過去に【○A 中途採用率の拡大】に取り組んだものとして、本コースの助成を受けた事業主
同様の取組みを行ったことにより、労働移動支援助成金(中途採用拡大コース)における助成 を受けたことのある事業主も含みます。 |
|
45歳以上の初採用のみ |
|
| (19) | 中途採用計画期間の初日の前日以前に、申請事業所において 45 歳以上の者を期間の定め のない労働者(パートタイム労働者を除く)として雇い入れたことがある(※)事業主
(※)次のいずれかに該当する場合をいいます。 ア 中途採用計画の初日の前日以前に申請事業所に雇い入れられ、中途採用計画の初日時 点で引き続き雇用されている労働者の中に、雇入れ日現在における年齢が 45 歳以上 であり、かつ期間の定めのない労働者(パートタイム労働者を除く)として雇い入れら れた方がいる イ 申請事業所に雇用されていたが中途採用計画の初日時点で既に離職し、離職から5年 経過していない者の中に、雇入れ日現在における年齢が 45 歳以上であり、かつ期間の 定めのない労働者(パートタイム労働者を除く)として雇い入れられた方がいる |
なお、生産性向上助成を受給するためには、中途採用拡大助成を受給した事業主であり、かつ上記(1)〜(5)の条件を全て満たし、かつ(8)〜(15)のいずれにも該当しない事業主である必要があります。
中途採用拡大コースの申請の流れ

最後に、中途採用拡大コースの申請の流れをご説明します。大きく分けると申請は「採用計画書の提出」「採用活動・雇用」「支給申請の提出」の3つのフェーズに分けられます。
採用計画書の提出
まずはじめに、採用計画書を所轄の労働局に提出します。採用計画書の提出は、計画期間が始まる3ヶ月以内〜前日までに提出しなければなりません。
採用計画書の雛形は「中途採用等支援助成金計画書」です。加えて、事業所の事業概要がわかる組織図やパンフレットも沿えて提出します。
採用活動・雇用
採用計画書を提出したのであれば、次は計画書に沿って採用活動を行います。労働局に適切に進められていることを証明するためにも、採用活動は計画に沿って進めてください。計画期間は6ヶ月以上12ヶ月以内と定められています。
支給申請の提出
採用活動が無事成功したら、次は支給申請を行います。支給申請は計画期間の終了日から2ヶ月以内に行うようにしましょう。
ただし、少しややこしいのですが支給申請は”雇用日から6ヶ月が経過している必要性”があります。そのため、雇用日から6ヶ月が経っていない場合は6ヶ月が経ってから2ヶ月以内に支給申請をしてください。
支給の際は、以下の資料を提出してください。ご覧の通り、数が多いので誤りや漏れのないように注意してください。
- 支給申請書
- 助成額算定書
- 対象労働者雇用状況等申立書
- 認定通知書
- マッチングサイトに移住支援金対象求人を掲載したことが分かる書類
- 対象労働者の雇用契約書又は雇入通知書
- 対象労働者の雇入れ日から6ヶ月間の賃金台帳
- 対象労働者の雇入れ日から6ヶ月間の出勤簿
- 対象労働者の移住支援金の受給を証する書類
- 対象経費の支払の発生原因が確認できる書類(請求書や見積書など)
- 対象経費の支払を確認できる書類(振り込み明細など)
- 資本の額又は出資の総額を記載した書類等(登記簿謄本など)
採用に関する助成金は賢く利用しよう
記事でご紹介した中途採用等支援助成金をはじめ、助成金は諸々の手続きがややこしいイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし、助成金の条件に当てはまるのであれば、事業を補助するという意味でも利用しないに越したことはありません。
中途採用等支援助成金は、中途採用を通じて雇用創出を行うことに対し支給される助成金です。弊社の転職エージェントサービス『眼科ワーク』では視能訓練士を専門に運営していますが、中途採用に困っているけれど採用コストはかけられない......という眼科施設の方には適した制度かもしれません。
ぜひ、条件に当てはまる眼科施設の方がいらっしゃれば、中途採用等支援助成金の利用をご検討されてみてください!
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