視能訓練士の採用方法を完全解説【医療機関向け】

2026.03.12

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視能訓練士の採用方法を完全解説|求人の出し方から面接・定着まで【医療機関向け】

この記事は、視能訓練士の採用を検討している眼科クリニック・病院の院長先生、事務長、採用ご担当者さま向けの内容です。

結論から言うと、視能訓練士の採用を成功させるには「チャネル選び → 求人票の書き方 → 面接での志向性の見極め → 入職後の定着設計」の4ステップを一貫して設計することが必要です。 この記事では、それぞれのステップを具体的に解説します。

なぜ視能訓練士の採用は難しいのか

「求人を出しても応募が来ない」「やっと採用できたのにすぐ辞めてしまった」——視能訓練士の採用に苦労されている院長先生は少なくありません。

その背景には、視能訓練士の需給バランスの問題があります。日本視能訓練士協会の調査によると、現在の有資格者は約16,000名。一方で、眼科医は約14,000名おり、眼科医1名につき2〜3名の視能訓練士が必要とされる中、充足率は4割程度にとどまっています。

つまり、視能訓練士(ORT。日本視能訓練士協会は近年「CO」の呼称を推奨していますが、本記事では現場で広く使われている「ORT」を使用します)は「採用したくてもそもそも人材の絶対数が少ない」職種です。だからこそ、「どう募集するか」だけでなく、「どう選ぶか」「どう定着させるか」まで一貫した設計が必要になります。

この記事では、眼科クリニック・病院への視能訓練士の紹介に特化し、首都圏を中心に数多くの採用を支援してきた眼科ワークの知見をもとに、採用の全ステップを解説します。

開業時の採用をお考えの方は「眼科開業時の視能訓練士採用ガイド」も参考になります。開業前ならではの注意点や、実際の採用成功事例を掲載しています。

1. 視能訓練士の採用チャネル4つを比較する

視能訓練士の採用チャネルは大きく4つあります。それぞれの特徴を比較表にまとめました。

① 日本視能訓練士協会の求人掲載

協会のWebサイトに無料で求人情報を掲載できます(掲載期間6ヶ月)。コストゼロで情報を出せる公的な求人掲示板で、協会会員の視能訓練士が閲覧します。単体でここから採用が決まるケースは多くありませんが、他のチャネルと併用して「網を張る」手段として活用するのが現実的です。

② 求人サイト

クリニックが自分で求人票を作成・掲載し、求職者からの直接応募を受ける方式です。医療系に特化した成果報酬型の求人サイトでは、掲載無料・期間無制限で、採用決定時に資格・雇用形態に応じた定額の費用が発生します(具体的な金額は非公開。職種により異なり、視能訓練士の常勤であれば数十万円程度が目安)。人材紹介会社のような仲介やスクリーニングはなく、応募者とのやり取り・面接調整・条件交渉はすべて自院で行います。スカウトメール機能で求職者に直接アプローチできるサイトもあります。

人材紹介と比べて採用コストは大幅に低い反面、候補者の事前スクリーニングや面接同行といったサポートはありません。広く候補者を集めたい場合や、採用対応のマンパワーがある程度確保できる場合に適しています。

注意点: 求人票の作成・候補者対応をすべて自院で行うため、採用にかけられるマンパワーが必要です。また、視能訓練士の求人は母数が少ないため、他の何十件もの求人に埋もれやすい。次章で解説する求人票の書き方で差別化しないと、スクロールされて終わりです。

③ 養成校への直接アプローチ

全国約30校の視能訓練士養成校(大学・専門学校)に求人票を送付し、就職担当教員を通じて紹介を受ける方式。新卒採用の王道です。

教育体制が整っていて一から育てる余裕がある場合、ベテランスタッフが多く新卒を受け入れる土壌がある場合に適しています。

注意点: 毎年の卒業生は約800名程度と限られています。また、近年は大学病院や大規模病院が積極採用しており、クリニックが新卒を確保するハードルは年々上がっています。

④ 人材紹介会社

候補者の事前スクリーニングから面接調整、条件交渉までを代行してもらえるサービスです。採用決定時に成果報酬(理論年収の20〜35%が相場)が発生します。

「経験○年以上」「斜視弱視検査ができる」等、条件が明確な場合や、採用活動に割ける時間が限られている場合に向いています。ミスマッチを避けたい場合にも有効で、事前面談で人柄やキャリア観を把握した上で紹介を受けられます。

注意点: 紹介会社によって「眼科に詳しいかどうか」に大きな差があります。一般的な医療系の紹介会社だと、「OCTが撮れる」「GPができる」といった眼科特有のスキル要件を正しく理解していないケースも。眼科に特化した紹介会社を選ぶことで、紹介の精度が上がります。

視能訓練士の採用チャネル比較表|協会・求人サイト・人材紹介

各チャネルのさらに詳しい比較(費用・使い勝手・実際に起きがちな課題)は「視能訓練士の採用、どこに頼む?求人サイト・人材紹介の特徴と選び方【医療機関向け】」で解説しています。

2. 視能訓練士の採用で応募が来る求人票の書き方

採用チャネルを選んだら、次に重要なのが「求人票の中身」です。ここで多くのクリニックが同じ失敗をしています。

よくある失敗 「検査業務全般」だけ書く

多くの求人票で業務内容が「眼科検査業務全般」の一言で終わっています。これでは、候補者は自分がどんな検査をするのか、手術に関われるのか、コンタクト処方もあるのか、何もわかりません。

視能訓練士にとって「どんな検査ができるか」は、キャリアに直結する最大の関心事です。求人票には以下を具体的に書きましょう。

求人票に書くべき6項目

1. 検査内容の列挙
(視力・視野・眼底・OCT・GP・斜弱検査など、実際に行うもの)

2. 手術の有無と件数
(白内障○件/月、ICL○件/月 等)

3. 手術補助への関わり方
(外回り・器械出し・術前説明 等)

4. 在籍スタッフの人数と経験層
(ORT○名・看護師○名)

5. 経験年数ごとのモデル年収
(手当の内訳も明記)

6. 採用背景
(増員なのか欠員補充なのか)

給与の見せ方で応募率が変わる

「月給23万〜30万円」のように幅が広すぎる記載は、候補者に「結局いくらなの?」と不信感を与えます。可能であれば、経験年数ごとのモデル年収を示すと効果的です。

良い例

「月給25万円〜(経験3年目モデル:年収380万円)」
「月給28万円〜(経験5年以上モデル:年収430万円)」

手当(住宅手当・資格手当・皆勤手当等)がある場合は、内訳を明記すると透明性が上がります。

「なぜ今この人が必要なのか」を書く

採用背景を一行でも書くだけで、候補者の安心感は大きく変わります。

・ 「クリニック拡大に伴う増員」
→ 成長中の職場とわかる

・ 「産休に入るスタッフの代替」
→ 働きやすい環境とわかる

・ 「手術件数の増加に伴うチーム強化」
→ スキルを活かせるとわかる

求人票で見落とされがちな「嘘ではないが実態と違う」問題

ここで、現場で実際によく起きている問題を2つ紹介します。

1つ目は勤務時間です。求人票に「勤務時間:9:00〜18:00」と書いてあり、嘘ではない。しかし実際には残業が常態化していて、19時を過ぎるのが当たり前——こういうクリニックは少なくありません。候補者は「18時に帰れる」と思って入職し、現実を知って「聞いていた話と違う」となります。求人票に残業の実態(「月平均○時間程度の残業あり」等)を正直に書いた方が、入職後のミスマッチは確実に減ります。

2つ目は社会保険の種類です。求人票に「各種保険完備」とだけ書いてあり、候補者は社会保険(協会けんぽ)だと思って入職したら、実際は医師国保だった。医師国保は保険料が全額自己負担になるケースがあり、視能訓練士からは敬遠される傾向があります。社会保険完備なのか医師国保なのかは、求人票に明記しておくべき項目です。逆に社会保険完備であれば、それだけで他の求人との差別化になります。

どちらも院長先生からすれば「嘘は書いていない」のですが、候補者の受け取り方とのギャップが、入職後の不信感やミスマッチの原因になっています。求人票は「法的に正しい」だけでなく、「読んだ人が実態を正しくイメージできるか」を基準に書くことが大切です。

視能訓練士の求人票_Before・After比較_応募が来る書き方

3. 視能訓練士の採用面接で「志向性」を見極める方法

採用面接で最もよくある失敗は、「経験年数」と「できる検査の種類」だけで合否を判断してしまうことです。

もちろんスキルは重要ですが、実はそれ以上に定着率に影響するのが「志向性の一致」です。

しかしその前に、もっと根本的な問題があります。面接で院長先生が自分のクリニックの話ばかりしてしまい、候補者のことを十分に聞けていないケースが非常に多いのです。

院長先生は普段の診療で「患者さんに説明する側」なので、面接でもつい同じモードになりがちです。クリニックの理念、手術件数、将来のビジョン——伝えたいことはたくさんあると思います。しかし、候補者の話を聞かないまま「良さそうな人だ」と感覚で採用してしまうと、入職後に「こんなはずじゃなかった」が起きます。

実際に、面接ではお互い良い印象だったのに、入職してみたら「聞いてなかった」「思っていたのと違った」というケースが後を絶ちません。これは候補者が嘘をついていたのではなく、そもそも面接で確認すべきことを確認できていなかったことが原因です。

面接は「クリニックを売り込む場」ではなく「お互いを知る場」です。院長が話す時間と候補者が話す時間の比率は、3:7くらいが理想。以下の質問を使って、候補者のことを具体的に把握してください。

① 「前職の退職理由を教えてください」

これは必ず聞いてください。退職理由を把握していないと、同じ理由で辞められるリスクがあります。「人間関係が合わなかった」のか「スキルアップの機会がなかった」のか「残業が多すぎた」のか。退職理由と自院の環境を照らし合わせて、同じ問題が起きないかを判断します。

具体的なエピソードで語れる人は、自分のキャリアを真剣に考えている証拠です。逆に「なんとなく」「環境を変えたかった」のような曖昧な回答は、転職の軸が定まっていない可能性があります。

② 「当院のどこに興味を持ちましたか?」

この質問で、候補者がクリニックの何に惹かれたかがわかります。「手術件数が多く、術前検査のスキルを積めると思った」「チーム医療の方針に共感した」といった回答は好感触。一方、「お休みが多かったので」「給与が良かったので」といった条件面だけの回答は、より良い条件の求人が見つかった時に離職するリスクがあります。条件が決め手でも構いませんが、それ以外に「ここで働きたい理由」が出てくるかどうかがポイントです。

③ 「前職で一番やりがいを感じたことは何ですか?」

この質問への回答から、候補者が「何に喜びを感じるタイプか」が見えます。チーム医療に喜びを感じる人なら少人数のクリニック向き、自分のスキルアップに喜びを感じる人なら手術件数が多い環境向き。具体的なエピソードで語れる人は、仕事への当事者意識が高い証拠です。

視能訓練士の採用面接で聞くべき質問と見極めポイント

④ 面接で必ず確認しておくべき実務的な項目

質問だけでなく、面接の場で以下の項目を必ず確認しておきましょう。これを確認せずに内定を出すと、後から「話が違った」で破談になります。

・ 現在の年収と希望年収
面接後に条件提示をする際、候補者の期待値とクリニックの提示額がかけ離れていたら、お互いの時間が無駄になります。面接の場で「現在の年収はどのくらいですか?」「希望の年収帯はありますか?」と確認しておく

・ いつから勤務できるか
在職中の候補者の場合、内定を出してから入職まで2〜3ヶ月かかるのが一般的です。「いつ頃から勤務可能ですか?」を面接時に確認しておかないと、入職日のスケジュール調整で後から困ることになります

・ 通勤手段と所要時間
通勤に1時間以上かかる場合、長期的に続けられるかは大きな判断材料です

直接応募の場合、これらの確認はすべて院長自身が面接の場で行う必要があります。紹介会社を使う場合は、こうした情報を面接前に確認・共有してくれるかどうかが、その紹介会社の質を見極めるポイントになります。

採用面接に第三者が同席する効果

採用面接に院長と候補者だけでなく、第三者(人材紹介の担当者や採用担当スタッフ)が同席することで、以下の効果が期待できます。

・ 候補者が「院長には直接聞きづらいこと」を確認できる
・ 院長が「この人は合いそうか?」を客観的な視点で判断できる
・ 面接後に第三者を交えた振り返りで、印象のすり合わせができる

面接に人材紹介の担当者が同席することで、双方の認識のズレをその場で解消できるケースは非常に多いです。紹介会社を選ぶ際は、面接への同席対応があるかどうかも確認してみてください。

面接後の「本音」をどう把握するか

面接が終わった後、院長が一番知りたいのは「この人、うちに入りたいと思ってくれたかな?」ということです。

しかし直接応募の場合、面接後に候補者へ「うちのことどう思いましたか?」とは聞きにくい。聞けたとしても、候補者は面と向かって「ちょっと違うかなと思いました」とは言えません。結果、院長は候補者の本音がわからないまま内定を出すかどうかを判断することになります。

紹介会社が間に入っている場合は、面接後に担当者が候補者に「実際どうでしたか?」と率直に聞きます。「雰囲気は良かったけど残業が気になる」「院長の考え方に共感した、ぜひ入りたい」——こうした本音を院長にフィードバックすることで、次のアクション(条件調整や内定判断)がスムーズに進みます。

4. 視能訓練士の採用後、内定辞退を防ぐフォロー

せっかく内定を出しても、入職前に辞退されるケースがあります。特に視能訓練士は複数の内定を同時に持っていることが多いため、内定後の対応が重要です。

・ 条件提示書を速やかに出す
口頭ではなく、書面で給与・勤務時間・手当の内訳を明示する

・ 入職日までの連絡を途切れさせない
月に一度でも「入職お待ちしています」程度の連絡を入れるだけで、候補者の安心感が違う

・ 院内見学の機会を設ける
面接とは別に、実際の業務の様子を見てもらう「お試し見学」は辞退防止に効果的

5. 視能訓練士が定着するクリニックがやっている3つの施策

採用のゴールは「入職」ではなく「定着」です。特に入職後3ヶ月は、視能訓練士が「この職場でやっていけるか」を判断する最も重要な時期です。

① 教育担当を明確にする

「わからないことは誰に聞けばいいか」がわからない状態は、新入職者にとって大きなストレスです。メインの教育担当(プリセプター)を1名指名し、最初の1ヶ月は毎日15分でも振り返りの時間を設けると、不安解消に大きく効きます。

② 業務の「できる・できない」を可視化する

入職時にスキルチェックシートを使い、「今できること」と「これから覚えること」を明確にしておくことで、双方の期待値が揃います。「何でもできて当然」というプレッシャーを取り除くことが大切です。

③ 3ヶ月面談を必ず実施する

入職後3ヶ月のタイミングで、院長または採用担当が15〜30分の面談を実施。「仕事はどうですか?」だけでなく、「何か困っていることはありますか?」「入職前のイメージと違うところはありますか?」と具体的に聞くことで、小さな不満が大きな離職理由に育つ前に対処できます。

視能訓練士の入職後3ヶ月定着タイムライン

まとめ 視能訓練士の採用を成功させるために

1.チャネル選び
自院の採用ニーズ(経験者 or 新卒、常勤 or 非常勤、急ぎ or 中長期)に合ったチャネルを選ぶ。複数チャネルの併用が基本。

2.求人票
「検査業務全般」で終わらせず、検査内容・手術件数・キャリアパスまで具体的に書く。

3.面接
スキルだけでなく「志向性」を見極める。第三者同席で認識のズレを解消。

4.内定〜入職
条件提示書の即時発行、入職前のコミュニケーション維持、お試し見学。

5.定着
教育担当の指名、スキルチェックシートの活用、3ヶ月面談の実施。

人材不足の時代だからこそ、「一人の採用」の重みが増しています。

「採用チャネルの選び方がわからない」「求人票を見直したいけど何から手をつければいいか」「面接でどう見極めればいいか相談したい」——そんな時は、お気軽にご連絡ください。

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