看護師としてのやりがいが少ない
看護師の仕事のやりがいを感じる瞬間として、よくあがる声には以下があります。
- 担当した患者さんの病気やケガが治り元気になったとき(ときには患者さんの「命を助けた」瞬間)
- 患者さんやそのご家族から感謝の言葉をかけてもらったとき
- 一人ひとりの患者さんと深い関係性が築けたとき
- 「あなたが看護師で良かった」と患者さんに言われたとき
どれも看護師としてやりがいを感じる瞬間ですが、眼科看護師として眼科で働く場合、一般病棟勤務と比べるとあまり上記の体験は期待できないかもしれません。
勤務する眼科施設の規模感や特徴にもよりますが、眼科看護師は人手が足りない場合、医療事務(受付事務)や視能訓練士の業務を一部行なうことがあります。傾向としては、以下のような眼科施設の場合よく見られる印象です。
- 医療施設としての規模が大きくない眼科施設
- 手術頻度が少なく(または簡単な治療のみ)、手術や治療外での看護師業務が少ない眼科施設
- 「看護師も眼科検査を行なうべき」というクリニック(院長)の方針がある眼科施設
- 視能訓練士が不在であり、看護師に有資格者がいる眼科施設
もちろん、基本的には採血や点滴・注射・手術や患者さんの補助といった看護師らしい業務が中心となりますが、そのほかの業務も時と場合によっては担当しなければなりません。
そのため、前職で病棟勤務をしており、看護師らしい生活を送っていた方からすると、少し物足りなさを感じてしまうことも。「看護師としてのやりがいを感じない」は眼科看護師を辞めたくなる理由としてよくあがります。
ルーティンワークが多い
眼科看護師の仕事は、比較的ルーティン化している業務が多いのが特徴です。これは、眼科に限らず、”患者さんの急変など不足の事態が起きにくい科”では、共通して見られる傾向です。
そのため、別の科から転職された方でも、全体の仕事に慣れてしまえばスムーズに日々の仕事を進めることができます。
しかし一方では、業務がルーティン化しているため、どこか物足りなさを感じてしまう方もいらっしゃいます。難しい判断を要するチャレンジングな機会が少なくなると、看護師としての成長実感を得られなくなり「やっぱり病棟勤務に戻りたい!」と思ってしまうのです。
給料が少し低い(夜勤がないため)
眼科看護師には病棟勤務の看護師と違い、夜勤や早朝勤務・多くの残業などはありません。
つまり、仕事とプライベートのバランスを取りやすく、ハードワークを避けることができるというメリットがあるわけですが、一方で病棟勤務の看護師が得られるような「時間外手当」を受け取ることができません。
厚生労働省が発表している「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、眼科看護師の平均年収は約450万円。月給になおすと、平均月給は33万4,400円ほどです。そして、看護師全体の平均年収は約490万円になります。
つまり、時間外手当分 看護師全体の平均と比べて眼科看護師は平均して年収40万円ほど低いことがわかります。もちろん、勤務する眼科施設によって異なりますので、より高年収な職場もあれば、より年収が低い職場もあることは理解しておいてください。
眼科施設に転職する際は、面接の時点でどれくらいの年収が”入社後も含め見込めるのか”慎重に考えることが大切です。
そのうえで、ワークライフバランスの取れた生活を希望であれば、眼科看護師はフィットするでしょう。逆にこれからも年収を上げていきたいという方には、眼科看護師はあまりおすすめされません。
眼科特有の検査機器の扱いが難しい
眼科での検査は基本的に視能訓練士が行ないますが、現場に視能訓練士が不在の場合は看護師が検査を担当するケースもあります。
「看護師としてのやりがいが少ない」の章でも触れましたが、「規模小さい眼科施設」「手術の少ない眼科施設」「院長の方針が強く反映されている眼科施設」では、この傾向が強く見られます。
ほとんどの眼科施設には、「眼科コメディカル」と呼ばれる無資格のスタッフが在籍していますが、この眼科コメディカルも不在の場合は特に、看護師が可能な検査を行なうケースが多いです。
そのため、眼科にはじめて転職された看護師は、眼科特有の検査機器の使い方に戸惑いを示す方も少なくありません。
眼科特有の検査機器には、以下のようなものがあります。
- スペキュラー マイクロスコープ
- ハンフリー視野計
- ゴールドマン視野計
- OCT
- 眼底カメラ
- オートレフクラフトメーター
- ノンコンタクトトノメーター
一通りの検査機器の扱い方は、慣れてしまえば難しいものではありません。経験を積むと淡々と検査していくかたちになりますが、それまでは負担に感じてしまう可能性もあるでしょう。
※参考元:検査機器のご紹介 | 荻窪眼科