「医療業界の人手不足」が問題視されて久しいですが、実際はどの程度、病院の採用難は進んでいるのでしょうか。厚生労働省が発表したデータ等をもとに、医療従事者(特に看護師)の人手不足を考えます。また、弊社が取り扱う視能訓練士業界にも採用難があるのか、についても解説します。
病院の採用難はどれだけ深刻? 医療従事者の人手不足をデータで考察する
2025.03.10
- 眼科採用お役立ちコラム
病院の採用難はどれだけ深刻? 医療従事者の人手不足をデータで考察する

産業別の人手不足の現状
まずはじめに、医療業界の相対的な位置を知るために、産業別の人手不足をデータとともに見ていきたいと思います。参考にする資料は平成30年6月に厚生労働省職業安定局より発表された『人手不足の現状把握について』です。
資料の6ページ目に「人手不足の現状」がまとめられています。資料から読み取れる考察は、以下のような点でしょうか。
- 人手不足感や欠員率は産業別、企業規模別に大きな差がある
- 「運輸業/郵便業」「サービス業(他に分類されないもの)」「医療/福祉業」「宿泊業」「飲食サービス業」で人手不足感が強い
- かつ、従業員数が5〜1000人以下の中小企業で人手不足感が強い
文字にすると当然の内容ですが、全体の業種から見ても医療業界は”人手不足感のある”業界だと捉えてよさそうです。
医療従事者の人手不足をデータで見る
では、医療従事者をより深掘ってみていきたいと思います。ただ医療従事者と言えど、職種の幅が広いのでここでは「看護師」に絞って話を展開します。
日本看護協会が発表している資料によると、看護師の就労数は年々増加傾向にあり、いわゆる”売り手市場”が続いている状況です。パーソル総合研究所がまとめた「労働市場の未来推計 2030」でも、今後も看護師市場は需要過多(人手不足)が続き、具体的には2030年に約187万人の人手不足が生じるのではないかと言われています。
コロナで医療従事者の不足は加速する?
現在(2021年6月時点)の医療業界の人手不足問題を語るうえで、避けては通れないのが「新型コロナウイルス」についてです。この記事を書いている2021年6月時点では、国内でもワクチン接種が徐々に進んできており、一定の落ち着きを見せてきているようにも思います。
ただし、街の様子の変化と医療従事者(看護師)が働く現場はまた様相が異なることは、頭に置いて考えなければなりません。最新の医療現場の情報は、ニュースや各団体の発表・SNS等を通じてしか、なかなか把握することはできません。
正式な調査発表については、少しタイムラグがあって世に公表されますので、次章では2019年度(19年4月〜20年3月)の看護師の離職率に関する資料をご紹介します。
2020年の看護師不足の問題。離職率のデータが発表
2021年3月26日に公益社団法人 日本看護協会より「2020年 病院看護実態調査」が発表されました。この調査では、全国の病院 8,249施設の看護部長を対象にWeb調査で実施されたものです(うち回収率は46%の3,797件)。
資料によると、2019年度の正規雇用の看護師離職率は「11.5%」で前年度比で「+0.8%」。新卒採用の看護師離職率は「8.6%」で前年度比で「+0.8%」と報告されています。
印象としてはさほど離職率が高まっている印象ではないですが、これは20年3月までのデータですので20年全体で見るとより高い可能性はあります。
NHKの記事※によると、日本看護協会では「この時期の離職については新型コロナウイルスの感染拡大が影響している可能性もある。引き続き状況を注視し、離職を防ぐ対策を検討する必要がある」と答えているようです。
視能訓練士に採用難の問題はあるのか?
一律に職種で一括りにして「採用難の問題はある/ない」と語るのはナンセンスだと思いますが、弊社の『眼科ワーク』で取り扱うのは視能訓練士ですので、視能訓練士の採用難についても考えていきたいと思います。
視能訓練士の離職・休職率は、日本視能訓練士協会が発表した『視能訓練士実態調査報告書 | 2020年』にて掲載されています。
資料によると、離職・休職率の理由は「出産 30.3%」「結婚 19.3%」「子育て 14.7%」「配偶者の転勤 10.1%」「自分の病気療養 7.3%」「家族の病気や介護 4.6%」「その他 12.8%」「無回答 0.9%」という内訳。整理すると、多くは結婚や出産に関する理由と考えられます。
採用難は眼科病院・クリニックごとによりけり
ただし、報告書で発表されている内容はここまで。つまり、視能訓練士の離職によって”各病院・クリニックがどれだけ人手不足に悩まされているか”は報告されていないのです。
ここからは業界歴の長い『眼科ワーク』の推察ではありますが、業界全体としてはさほど視能訓練士の採用難は強くない印象です。これを言ってしまえば元も子もない話ですが、視能訓練士に人気の施設は求人がすぐ集まるし、そうでない場合は苦戦しがちという印象。
眼科病院・クリニックが採用難に陥るのは、大きくは「業界内の評判」や「給与・待遇」「HPの充実度」といったところでしょうか。特に最近では、求人応募前に必ずネットでHPをチェックする、という視能訓練士の方も多く、HPの情報が充実している、洗練したWebデザインである施設は人気が高い傾向にあります。
そのほか、どうしようもない「立地」的な問題も考えられますが、施設のHP・採用ページの改善を図ってみてはいかがでしょうか。
『眼科ワーク』は貴院の人材採用をサポート
先ほどお話しさせていただいたように、視能訓練士の採用でお困りなのであれば、ぜひ『眼科ワーク』までお気軽にご相談ください。弊社サービスでは、眼科業界歴30年の知見を活かし、視能訓練士専門の転職エージェントとして貴院にフィットする人材をご紹介させていただきます。
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